ゆるゆる べんきょう

暇だから哲学・数学・物理学をゆるく勉強しているよ

JJ桜井 量子力学 4章

対称性に注目すると問題が解けることがある。クーロンポテンシャル中の粒子を考えよう。古典物理ではレンツベクトルが運動の定数であり、実際レンツベクトルを量子化するとハミルトニアンと交換する。適切にスケールさせると、レンツベクトルの各成分はLとの…

JJ桜井 量子力学 3章後半

一般のj(≠1/2)に関する角運動量の議論。J^2、Jzの固有ケットで考える。梯子演算子を定義する。梯子演算子の性質を考慮すると永遠に梯子を上ったり下ったりできないことが示される。こうして同時固有ケット |j,m> に行き着く。 ところで、x × p で定義される …

JJ桜井 量子力学 3章前半

軸k の周りの無限小回転dΦ に対応するケット空間の演算子として角運動量演算子 J_k を定義する。交換関係は [Jx, Jy] = i hbar Jz などが導出される。生成演算子同士が好感しないので非アーベル型の群を作る。 スピン1/2の系では、ケット空間の次元は2である…

JJ桜井 量子力学 2章後半

シュレディンガー方程式をx-表示することで時間に依存する波動方程式が導出される。特に定常状態においては時間依存性が位相の回転で表されることを利用することで、両辺の時間依存項を消去することで時間に依存しない波動方程式が得られる。これを解くこと…

JJ桜井 量子力学 2章前半

2章は「量子ダイナミクス」 時間発展のユニタリ演算子を求め、シュレディンガー方程式を導出する。ハミルトニアンと交換可能な演算子の固有ケットであれば解が容易に求まることを示す。この時期待値の時間依存性がないことから固有ケットは定常状態と呼ばれ…

JJ桜井 量子力学1章

1章は「基礎概念」 シュテルンゲルラッハの実験(Ag原子線を磁場で分離)を使って量子の特殊性を説明。ディラックによる数学的な定式化を示す。ブラ、ケット、観測量、完全系、エルミート性、射影演算、観測、位置表示、運動表示、両立する観測量、不確定性…

2017-07: 哲学史を学んで

---- 哲学史を学んでいたということですが はい。様々な哲学者の思想をざっと俯瞰してみたかったです。特に哲学から科学が分岐するところに興味がありました。また、自分一人で考えるとどうしても視野が狭くなってしまうので、前人の思想をお借りして思索を…

書評:ソフィーの世界

ゴルデル:ソフィーの世界 https://www.amazon.co.jp/dp/4140802235/ 〇:一人一人の哲学者に多くの文字を割いている 〇:小説風味になっており、初読では頭をガツンとなぐられた気分 ×:長い 長すぎる ×:現代の哲学者に関してはあまり触れられていない ×:…

書評:大論争!哲学バトル

大論争!哲学バトル https://www.amazon.co.jp/dp/4046013109 を読みました。大衆向けの哲学関連の書籍です。 哲学者同士に「対話」させることで現代の各種問題(格差は容認されるか?生きる意味はなにか?)にたいして議論する。 哲学者をイラストで描いて…

倫理・価値判断・行動規範

「・・である」という事実を表す命題の集まりから、「・・・すべき」であったり「・・・は正しい」だったり「・・・するのが望ましい」というような命題を推論することはできない。これらの命題には価値判断という主観的な要因が混じるからだ。しかし私(た…

野家 科学哲学 第三部

第三部は科学社会学 13章から15章 マートンはCUDOS(公有性・普遍性・無私性・組織的懐疑主義)と呼ばれる規範を提示した。そして、科学の健全な発展には民主主義社会の成立が不可欠の条件となると考えた。しかしこれは理想主義的だとされてしまっている。こ…

野家 科学哲学 第二部

第二部は科学哲学 第7章から12章 科学的な方法としての演繹・帰納はアリストテレスにより整備された。特に演繹は論理学として知られている。帰納法は経験に基づく手法であるため、帰納法に正当化を与えることに多くの人が苦心している。これを踏まえた仮説演…

野家 科学哲学 第一部

第一部は科学史。1章から6章まで 古代ギリシャでは、アリストテレスによる自然観を押さえておけばよい。ドグマとして(1)天上と地上の根本的区別(2)天体の動力としての天球の存在(3)天体の自然運動としての一様な円運動。惑星の運動はエカントと呼ば…

7月の勉強予定は哲学史

7月は哲学史をやろうかなぁと思います。 まずは野家さんの「科学哲学への招待」をよんで、「ソフィーの世界」でざっと概観して、山川出版の「哲学」あたりで復習して、気になる哲学者について少し深めに勉強しようかな。カント・ヘーゲル・ヴィトゲンシュタ…

2017-06: 暗号通貨を学んで

---- 暗号通貨を学んでいたとのことですがはい。主にビットコインについて学びましたが、他の暗号通貨にも手を出していました。具体的にはライトコイン・イーサリアム・リップル等ですね。これらのアルトコインと呼ばれる仮想通貨にも触れることで、ビットコ…

ビットコインにおけるブロックチェーン(続き)

ブロックチェーンというが実際はブロックヘッダチェーンといったほうが正しいように思われる。各マイナーは、ブロックヘッダのsha254のチェックサムがターゲット数以下になるように、様々なブロックヘッダを試行する。この時に変化させるのはnounceと呼ばれ…

ビットコインにおけるブロックチェーン

各ノードが保有しているほぼ同一な元帳が、ビットコインの価値である。元帳には「価値の移動」を意味するトランザクションが記載されている。すなわちビットコインが最初に生成された時から現在に至るまでのすべて価値の移動(基本的にはビットコインの授受…

ビットコイン勉強

参考書として、「Mastering Bitcoin」を使って、勉強をしてきました。 https://www.bitcoinbook.info/translations-of-mastering-bitcoin/ これから数回に分けて自身が理解したことの概略を記載していきます

2017-06 勉強計画=暗号通貨

流行っているので暗号通貨の勉強でもしてみるよ ビットコインとイーサリアムかな。リップルとかステラーとかもいいかも。

2017-05: 古典論理を学んで

--- 古典論理を学んでいたということですが はい。論理学の基本ですね。アリストテレスの時代から進歩がなかった学問ですが、19世紀末から20世紀で一気に開花した学問です。数学基礎論とか数理論理学と呼ばれている分野です。 ---数学と論理学に関係があるの…

トートロジーと論理的帰結

モデル・値付けw(wα=1)を充足関係 w|=α と捉えなおす。論理式φ∈Fはモデルによって充足したり、しなかったりするが、任意のモデルに対して充足する論理式があり、トートロジーと呼ぶ。任意のモデルに対して充足しない論理式があり、矛盾と呼ぶ。αを充足する任…

命題論理: 同値関係と標準形

n個の原子命題からなる論理式は、#Bn = 2^2^n 個あるf: 2^n → 2 なる関数と同一視できる。この同一視(意味論的同値関係)は、数学でいうところの同値関係(同一律、反射律、推移律を満たす)であるため、n個の原子命題からなる論理式全体からなる集合 Fn は…

1階命題論理: 統語論と意味論

統語論に関するいくつかのメモ 命題論理の論理式は帰納的に定義できる/命題論理の式全体をFとする. π ∈ F で、 α,β ∈ F ⇒ ¬α , α∧β , α∨β ∈F 。部分集合 Sf も帰納的に定義できる Sf π = {π}, Sf ¬α = {¬α}∪Sf α, Sf α○β = {α○β}∪Sf α ∪ Sf β n個の変数か…

参考書

このブログで勉強した素材を一覧化し、寸評します。 哲学史 田中: 哲学用語図鑑 ★★★★ https://www.amazon.co.jp/dp/4833421194 図鑑。ポンチ絵で哲学用語を解説 〇:わかりやすい 〇:絵がかわいい 〇:そこそこ網羅的 ×:東洋がない 平原: 読まずに死ねない…

論理学ちゃんと勉強

とりあえず、論理学の勉強として 野矢 論理学 北田 ゲーデル不完全性定理発見への道 Wikipedia あたりをやって、入門はできたと思う。一方、勘違いも多そうだし、あやふやなまま理解があるであろうことは考えられるので、ここで一つきちんとした教科書で勉強…

北田 発見への道 10章 (終)

10章 ゲーデル述語 前章からの続き。ロッサー文およびゲーデル文に出てくる述語を数値的に表現する。その際、自身のゲーデル数を自身に代入するという事情のため、ゲーデルナンバリング自体が数論的操作であることを示す必要があり、じっさいにそれを示す。 …

北田 発見への道 9章

9章 証明の数値的表現 これまでの議論において、「xは公理である⇔Axiom(x)」や「xは証明列である⇔Proof(x)」といった、ゲーデル数を引数にとる述語を、自然数論の体系 N において再帰的に構成できると述べてきた。それを示している。 なお、「xは証明可能で…

北田 発見への道 8章

8章 証明の再帰性 本書では、ロッサー文を使った証明でゲーデルの不完全性定理を導いた。その際に前提となっている再帰性/帰納性を議論する。 まず、再帰的関数の定義を行い、これを用いると、再帰的述語および再帰的関係を定義することができる。実際、「普…

Wikipedia - ゲーデルの不完全性定理

なんか色々誤解をしてそうなのでWikipedia(en) も読むことにしたい。 Gödel's incompleteness theorems - Wikipedia これからも追記予定 二つの完全性 syntactically complete: Aもしくは¬Aが証明できる semantically complete: 全ての恒真式が証明可能 ・…

北田 発見への道 7章

7章 ゲーデルナンバリング 項・式・証明列が与えられた時、それらを一意に自然数にエンコードすることが可能である。このエンコードの規則をゲーデルナンバリングと呼ぶ(その実装には任意性がある)。その自然数を体系内の自然数と同一視し、変数x にその自…