ゆるゆる べんきょう

暇だから哲学・数学・物理学をゆるく勉強しているよ

JJ桜井 量子力学 2章前半

2章は「量子ダイナミクス

 

時間発展のユニタリ演算子を求め、シュレディンガー方程式を導出する。ハミルトニアンと交換可能な演算子の固有ケットであれば解が容易に求まることを示す。この時期待値の時間依存性がないことから固有ケットは定常状態と呼ばれる。そうでない場合、期待値を構成する各項が振動しており、スピン歳差運動やニュートリノ振動を説明する。

 

状態ケットが時間変化するのがシュレディンガー表示ならば、演算子が時間変化するとみなすのがハイゼンベルグ表示である。ハイゼンベルグ表示は古典論から量子論を導くのに有用であるが、スピンのように古典論で対応関係がないものは推理するしかない。エーレンフェストの定理は古典的粒子のようにふるまうことが示される。

 

調和振動子の形のハミルトニアンは様々な物理現象で出てくる。生成演算子と消滅演算子を導入することでエレガントに解くことができる。振動子の時間的発展はベーカーハウスドルフの補助定理を利用することで、古典的粒子のものと同等のものを導くことができる。しかし、期待値をとると(当然)ゼロになる。古典的粒子と同じように振動するような状態ケットはコヒーレント状態とよばれ、消滅演算子の固有方程式を解くことで得られる。