ゆるゆる べんきょう

暇だから哲学・数学・物理学をゆるく勉強しているよ

北田 発見への道 3章

3章 命題計算の無矛盾性

いったん命題理論から始める。しかし本書では一貫して自然数論Sを前提に置いているため、命題変数は自然数論における命題と同一視する。命題論理自身もSの影としてみる立場のようだ。

 

統語論、推論規則(MP1つ)、公理系(11こ)を提示。意味論として真理値表を導入する。全ての公理がトートロジーであることが示せる。また、唯一の推論規則MP の前件が真と仮定した際に、後件が真になる、すなわち真理性が保存されることが示せる。トートロジーたる公理からはじめ、MPを有限回用いて定理を導いていくので、全ての定理がトートロジーであることが示せる。したがって矛盾式が定理でないことが示されるので、無矛盾性・整合性が確かめられる。

 

真理値表を与える代わりに、モデルという概念を導入して、「命題論理の定理式がトートロジーである」の現代版「命題論理の定理式は、自然数論における任意の構造Mにおいて真である」ことを示す。

 

全体の議論は非常に明快。うまく公理系、推論規則を選んだから、かな。あと、命題論理だとモデルの概念が簡単になりすぎて逆にわかりづらい・・