ゆるゆる べんきょう

暇だから哲学・数学・物理学をゆるく勉強しているよ

野矢論理学 2章

アリストテレスオルガノンの概説。256通りの三段論法のうち、24の正しいものを、4の正しいと思われる論法から証明したとのこと。一方、多重量子化や固有名、関係文を扱う上で問題があることを提示し、フレーゲの開発した述語論理へと話をつなげていく。述語論理は、オルガノンを包含し、また命題論理を包含するものであるという説明。実際に1~4格を述語論理で記述できることを示している。

 

述語論の意味論の説明。トートロジー→妥当式。解釈という意味付け(述語記号、個体定項の割り当て、議論領域)及び ∀、∃の意味を決定づける。

 

気になる記述

  • ∧の解釈。命題関数をつなぐ∧はどのように解釈するのか?そのためにテクニカルな処置がとられるとのことだが、、、、
  • 妥当式の全てがトートロジーというわけではもちろんありません
  • 述語論理の機械的決定手続きは存在しない

 

述語論理の構文論。定項および自由変項を一括して項と呼ぶ。また、述語論理の公理系Lを提示。ドモルガンの法則存在量化版の提示。完全性に関しては先送り。

 

まぁこの辺も初歩中の初歩。とはいえ、アリストテレスの三段論法をある程度ちゃんとした形で記載しているのは初めてみた。面白い。

 

野矢論理学 1章

命題論理の意味論と構文論。意味論は真理値分析をやって、あとシェファーの縦棒をやって、トートロジーの説明をして、推論をやった。ならばに「⊃」、意味論の推論に「→」を使っているのが特徴的。まぁ別にいいけど。構文論はLPと呼ばれる、公理4つと導出規則MPを使った公理系を提示した(完全性の証明は後回し)。

 

野矢さんの解説は非常にわかりやすく、また、哲学的問いかけも含まれており、何度よんでも新しい発見がある。とはいえ、もう読むのが数回目なのでさらっと読んで終了

2017-05 の勉強計画

5月は論理学をやろうかな

 

初歩的なやつ。1階述語論理+ゲーデル不完全性定理。あと様相論理について概要を知りたいかも

 

教材は、持ってる以下の本を前半にやって、後半は図書館かKindleでなにかを調達しようと思う

 

定番

論理学 | 野矢 茂樹 |本 | 通販 | Amazon

 

きちんとやる


ゲーデル不完全性定理のさわり

https://www.amazon.co.jp/ゲーデル-不完全性発見への道-双書-大数学者の数学-北田-均/dp/4768703917/

 

絶対読めないけど、一応目を通す

https://www.amazon.co.jp/ゲーデルの定理-利用と誤用の不完全ガイド-トルケル-フランセーン/dp/4622075695/

2017-04: 集合論を学んで

2017-04 は集合論を主に学びました

 

--- 最近は集合論を学んでいたようですね

そうですね。正確にはBNGの公理的集合論を学んでいたというのが正確な表現になると思います。公理的集合論というのは、カントールが開拓した集合論(素朴集合論)を、論理学の方法で明確な形で定義したものです。公理的集合論といっても色々種類があって、代表的なのはZFCとBNGの二種類です。大体やっていることは同じですが。

 

--- 集合論を学ぶと何につながるのでしょうか?

ほぼ全ての数学の基礎になります。自然数といった概念や、関数といった概念など、どの数学でも当たり前に使っている用語を論理学から明確に定義して、つまり基礎付けできるのが一番のご利益ですね。あと、これは素朴集合論でもそうなのですが、無限という実在に迫れるツールというのも便利なところです。

 

--- 無限ですか・・・色々なパラドックスがあると聞きますが

そうです。それこそ公理的集合論が成立したきっかけになるのです。無限に迫るためにカントールは素朴集合論を用いましたが、そこでラッセルのパラドックスと呼ばれるような矛盾が発見されたのです。素朴集合論でもかなりうまく無限を捉えることに成功していたのですが、矛盾が発生してしまうとこれはだめだ、となります。そこで矛盾が生じないように正確に集合を定義していこうというのが公理的集合論となります。

 

--- では公理的集合論の内容は素朴集合論と同じということですか?

概ねそうです。素朴集合論で得られた各種の知見を包含しつつ、矛盾が生じないように正確に整備した、というのが正しいですね。まず論理学 --- 正確には1階述語論理 --- があって、それをもとにいくつかの公理・概念を導入して、各種数学概念の定義づけをしたり、各種の定理を証明していくという流れです。

 

--- 無限に迫るとはどういうことか簡単に説明ください

無限というととても大きな数字という認識があると思いますが、そもそも数字は、二つの意味でつかわれているのですね。一つは、「数えきれないほどの数」、もう一つは「並べきれない程の数」です。それぞれ基数、順序数という名前がついています。

 

--- ではまず基数について説明ください

りんごが4個、りんごが3個、合わせて7個というように使うときの数字です。四則演算が定義できたり、そこから有理数、代数的数、無理数が定義でき、微分積分などにつながるような数学的な広がりをもつ数字です。とても大きな基数の例では、「すべての偶数の集合」とか、「すべての有理数の集合」とかが考えられますが、どちらの集合のほうが大きいのだろうか?などの疑問に答えます。キーワードは 1対1 対応です。任意の二つの集合の基数は、その要素同士に1対1 対応 があるかどうかで決定できます。このようなやり方で無限の集合同士の基数を比較することができます。

 

--- 基数に関連する興味深い知見はありますか?

自然数全体の基数が代数学的数の基数と同じであること、また、自然数全体の基数が実数全体の基数よりも小さいということです。ようは無限にも大小関係があることが分かってきたのです。一番小さい無限の基数は、自然数全体の集合の基数で、大体考えられる基数はこれになります。そして、おそらく次に小さい無限の基数が実数全体の集合の基数です。

 

--- おそらく?ですか・・・

連続体仮説と呼ばれます。自然数全体の基数より実数全体の基数のほうが大きいのは示せるのですが、その中間となる基数が存在するかどうかがわからないのです。おそらくないだろう、というのが連続体仮説です。コーエンによって連続体仮説およびその否定どちらも公理的集合論で採用している公理系では証明できないことが示されました。つまり、連続体仮説を採用して数学を展開してもよいし、採用しないで数学を展開してもよいということです。

 

--- なんかもやっとしますね。

それはそうですね。とはいえこのような形で明確に答えがでたのは大きな成果だと思います。

 

--- では、もうひとつの順序数を説明ください。

徒競走での順位付けでの数字です。一位、二位、三位、・・・・というときに使う数字です。大きな順序数の例としては、「最初に奇数を全部並べて、その次に偶数を全部並べたときに、最初の偶数は何番目か」というのがあると思います。同じ自然数でも並び方を変えると(例えば最初に偶数、その次に3の倍数・・・)色々な順序数ができます。キーワードは initial segment です。つまり、順序数は、自分の前に並んでいる集合の大小関係で定義できるというものです。

 

--- 順序数に関連する興味深い知見はありますか?

無限集合では、基数と序数の四則演算が異なることが知られています。順序数は非可換だったりして、無限の基数とはかなり違う振る舞いを見せます。また、公理的には、順序数を使って基数を定義します。その意味で順序数のほうが本質的とみてもいいのかもしれません。

 

--- 話を変えましょう。公理的集合論にはなぜいろんな種類があるのでしょうか?

実際たくさんあるのが普通なのです。素朴集合論を包含しつつ矛盾が生じないようにすればよいだけなので。矛盾の解消方法にバリエーションを持たせた、ということです。一番有名なのはZFCで、これを使えば既存の数学すべてを基礎付けできる程の強力な公理系になり、多くの数学者はこの枠組みで数学をしています。BNGはそれよりもう少し強力で、かつZFCを包含しています。私がKindleで買った数学の本はBNGだったので私はこれで勉強しました。

 

--- 最後に、やり残しや備忘的なものがあればお願いします。

コーエンの強制法はまだ内容を見ていないのでそのうち時間があれば見てみたいです。あと、BNGとZFCの対応付け周りの理解がかなり怪しいですので、テキストブックで復習する時間がほしいところです。あと、選択公理とそれと同値な各種定理(整列可能定理・ツォルンの補題)の同値性は、さらっと読んだだけなので時間があるときにしっかり読んでみたいですね。

 

 

 

ブックレポート「無限への飛翔」

紀伊国屋書店発行の、大人のための数学3を図書館で借りて読んだ

www.amazon.co.jp

 

素朴集合論の本で、基数・順序数の説明。選択公理の概略。カントールの生涯。若干の叙述的な記載。あくまで入門、というか概要をなめただけなので数時間で読破。哲学的、また叙述的な表現があり、著者の考え方が知れたのがよかった。

 

つーかこっちを先に読んどいたほうが楽だったかな

自然数・基数・序数

頭の整理がてら自然数と、基数、序数についてまとめてみた

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有限な例として、A={Jan, Feb, Mar} なる集合の基数を定義に従って求めよう。Aとequiponent な ordinals のclassを考え、その要素の中で最小の ordinals 、すなわち initial ordinals は何かと考えると、それは {0, 1, 2, {2} } 、すなわち自然数3 であることがわかる。

無限な例として、 A={ω, {ω}} なる集合の基数を定義に従って求めよう。Aとequiponent なordinals は、 例えば、ω0 があげられる。すなわち、 {ω} -> 0, 0->1, 1->2, ... なる1対1対応をつけると、Aとequiponent なordinals として ω0 を挙げることができる。そしてこれが最小の ordinals なので、基数は ℵ00 ということになる。

 

もうこの辺めちゃくちゃややこしいんだが、何とか分かった気がする。

 

基数(カーディナル数)

素数・サイズに相当するのがカーディナル数。カーディナル数の公理を導入する(のちの章で構成可能なので、この公理は冗長となる)。

 

基数に関して、和および積を定義し、それに関する計算が示される。また基数に関しても順序関係≦が定義できる。実際、すべての基数は整列可能である。

 

無限基数に関しては、 aa=a や、a+a=a などの性質が成立する。

 

やってることは簡単。自然数と基数に同じ記号 0,1,2, ... を使う理由はある・・・のか?続きが気になるところだ。